簿記3級に合格しました☆
ひゃほ。 pic.twitter.com/B6Wh2E0xrs
— コギト|時短ブログ「コギタチオ」 (@cogitatio1979) March 24, 2020

なんのため?今のところ仕事じゃ必要なさそうだけど。
私の場合は株を買うときの企業分析に役に立つかと思って。
この記事では、簿記3級を取得したばかりの筆者が、
簿記の3級の知識が株の売買の際の企業分析にどう役立つか(役立たないか)を解説します。
簿記の3級でわかること・わからないことは、大まかに言ってこんなところでしょうか。
- 会社のIR情報の決算資料(貸借対照表・損益計算書)に出てくる項目の意味がわかる
- 企業の利益がどのくらい、資産がどのくらい、負債がどのくらいかがわかり、経営状況を読む(想像する)ことができる
- PERとかPBR、経常利益率、ROE、ROA、などの株価に関する指数については簿記ではわからない
- キャッシュフロー計算書については3級ではわからない(1級の内容)

会社の経営状況が分かってくるってこと?それができれば株の良し悪しとか今後の見通しとかわかるかも!
投資家心理だけで売り買いするデイトレーダーには必要のない知識だけど、長い目でみて成長する株とか配当金を長くもらいたい株に投資するならとてもメリットのある知識「の土台」が得られます!
目次
そもそも簿記って何する資格?
簿記は帳簿づけの技術
基本的には、会社のお金の状態を管理・整理するための資格、ですね。
簿記は、企業規模の大小や業種、業態を問わずに、日々の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする技能です。引用:「商工会議所の検定試験」HPより
簿記は、簡単に言えば、会社の帳簿を作成していくための能力を養う資格です。

そんなの会社に入ってからその会社の帳簿のつけ方勉強するんじゃないの?
帳簿のつけ方(簿記)はどこも統一。そうしないとよくわからないし、比べにくいでしょ。
株式会社(株を発行している会社)の場合、
会社の経営状況をステークホルダー(利害関係者)に説明する
という義務があります。
ステークホルダーは
○経営者
○出資者(株主)
○従業員
○債権者(会社にお金を貸している銀行など)
○取引先
○顧客
などがそれにあたります。

たしかにこういう人たちが会社の経営状態を知らないと、安心してられないもんねぇ。
簿記の方法で作られた決算書は統一されているので、
どこでも誰にも通用する一般性をもった表になるのです。
その表をつくるための技術を習得するのが、簿記!
簿記で作られた決算書で会社の健康状態がわかる
人の健康状態は見た目では分かりませんが、健康診断書があれば分かりますね。簿記で作成する2つの書類は、いわば会社にとっての健康診断書ともいうべきものです。引用:「日商簿記3級テキストブック」-資格☆合格クレアール-p2より
簿記は帳簿付けの実務的な資格なのですが、
同時に、会社の経営の健康状態(経営業績)もわかるという知識が得られる資格でもあります。
簿記で最終的に作成する決算書は二つ。「貸借対照表」と「損益計算書」です。
貸借対照表は、
○資産がどのくらいあるか(現金、預金、在庫、建物など)
○負債がどのくらいあるか(借金、まだ払っていないお金)
○純資産がどのくらいあるか(集めた資本金、今までの利益の積みあがり)
がわかる表です。
損益計算書は、
○費用がどのくらい出たか(社員の給料、店舗家賃など)
○収益がどのくらいあったか(売り上げなど)
○純利益(収益と費用の差額)がどのくらいあったか
がわかる表です。
これらが分かると、結果的に以下のような会社の経営実態や経営の方針も当然わかりますよね。
- 負債の額の割合がが資産に比べて大きい → 返せないくらいの借金をしてるんじゃないの?
- 純資産の利益剰余金(今までの利益の積み上がり)が少ない → 毎年利益を次の年に残してないけど、どういう理由?全部配当してくれてるの?
- 収益も多いけど、費用も多い → 売れてる売れてるっていうけど、実際の儲けは少ないんじゃん!

会社側が正直に報告してくれないようなことも分かっちゃうのか!すごいね。
簿記は「帳簿づくり」の資格だから、「帳簿分析」までは3級では基本教えてもらえないです。
ただ、分析のために必要な基本知識は当然つきますから、上のような読みはできるようになるかと(当たってるかどうかは別として)。実際私3級でできてるし。
ただ、分析のために必要な基本知識は当然つきますから、上のような読みはできるようになるかと(当たってるかどうかは別として)。実際私3級でできてるし。
簿記3級のレベル
簿記の資格には、3級・2級・1級と3つの級があります。

実際3級ってどこまでのレベルなのかね。
3級のレベルは以下のようになっています。
業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」として、多くの企業から評価される資格。
基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル。引用:「商工会議所の検定試験」HPより
2級のレベルはこんな感じ。
経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ。
高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。引用:「商工会議所の検定試験」HPより
ちなみに1級はこんなです。
極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル。
合格すると税理士試験の受験資格が得られる。公認会計士、税理士などの国家資格への登竜門。引用:「商工会議所の検定試験」HPより

んー、1級はやっぱりすごい。ばっちり経営分析して株買えそう!
ここでの問題は3級でどのくらいわかるのかって事ですよね。次に解説します!
簿記の3級を取得して「株取引の企業分析に役立つ」事
決算書の各項目の意味が分かる

買いたい株の企業の財務情報を調べたい!
と思ったときに見るものの一つは
〇企業HPのIR情報のページ
です。
(もう一つ四季報があると思いますが、↓↓の記事で取り上げています。)
企業のIR情報ページでは「決算短信」の資料を見ることができ、
そこで「貸借対照表」「損益計算書」を見ることができます。
貸借対照表の項目
引用:「BizHint」HPより

手形?売掛?貸倒引当金?利益剰余金に利益準備金?前受け金と預かり金って何が違う?わからない!
3級で全部わかります。
簿記の3級では、貸借対照表の基本的な項目について学びますので、
どんな項目があって、
それはどんなものなのか、
理解できます。
また、
貸借対照表は資産と負債のバランスと純資産を表しているので、

この会社、資産たくさんあるけど、借金で借りてるから多いんじゃないのかな。
とか、

あらら、こんなに利益剰余金(純資産)あるんだったら、株主配当も来年は増えたりするのかな?
などと表から企業の状況を想像する(当たるかどうかは別として)こともできます。
しかも簿記では、
貸借対照表の元になる帳簿から貸借対照表を作成する方法も学ぶので、
それぞれの項目の数字はどのように計算されているのか、
ということもわかります。
表自体を自分で作れるくらいの知識があると、理解はかなり深いですよね。
損益計算書の項目
引用:「簿記入門講座 創業から決算まで」HP

こっちのほうが何となくわかりやすそうだけど…。減価償却費って?
当期純利益って利益剰余金と何が違うのさ?
当期純利益って利益剰余金と何が違うのさ?
そういうのも簿記3級でわかりますよ!
損益計算書では1年間の売り上げと、それに関わる費用が載っているので、

このくらい売り上げがあって、ようやく利益が○○万円なんだなー、利益が取りにくい業種なのかな。
とか、

あらら、宣伝費と通信費に結構お金かけてるんだな。なんでだろ?
などと表を見て読んでみる(当たるかどうかは別として)こともできます。
簿記3級では損益計算書の作成方法も学びますので、
各項目について、
どんな項目があって、
それはどんなものなのか、
その項目の計算の根拠
が理解できます。

すごい。この二つの表を読みこなせたら結構企業の分析できるじゃん!
そう。ただ分析までは3級ではまだできないかな、くらいのイメージです。
数字をみて、想像めぐらせられる、くらいのレベル。
数字をみて、想像めぐらせられる、くらいのレベル。
簿記3級では損益の計算は行うものの、
その会社の財務状況の判断(売り上げが多いか少ないか、広告費がかかりすぎか、など)は全く勉強しません。
財務「分析」の土台になる
簿記3級に受かってからこんな本でも財務分析を勉強し始めました。
簿記3級では、企業の財務分析を行う事はまだできません。
他にも知らなければいけない用語や知識はたくさんあります。(とわかったので、上のような本を簿記を勉強した後に買いました)
上の本は決算書の分析の「超入門書」と謳っていますが、
たぶん簿記勉強していなかったら、用語がわからなすぎてつまづいていたでしょう…。
本当の初心者だと、分析を勉強する前にたくさん出てくる簿記用語の海に呑まれてしまいます!
本当の初心者だと、分析を勉強する前にたくさん出てくる簿記用語の海に呑まれてしまいます!
(決算書の分析という意味ではとても分かりやすい本でおススメなのですが)
要するに簿記3級を勉強する事で、

財務分析をする入り口に立てるくらいになるってことか。
簿記の3級を取得しても株取引の企業分析でわからないこと
株の売買の際の指標(PERとかPBRとか)は出てこない
そもそも株って、一回発行して企業がお金集めちゃったら、あとは株価が上がっても下がっても企業には基本関係ない。

発行された後の株は、投資家の間で値段がついて取引されるだけだもんね。
↑この説明に「え、そうだったの?」と思った方は以下の記事も参考にしてみてください。
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超ざっくりといってしまえば、

とりあえず会社の資金欲しいから1株1000円でお金集めたけど、集まったらあとは投資家さんで勝手に取引してね。あとは知らねーっと。株価上がっても実際お金もらえるわけでもないしさ。
という感じです(実際はそんなに単純ではなくて、もちろん企業も株価は気にしてます)。
ということなので、簿記で学ぶ決算書には、株式のことはほぼ出てきません。

ということは株の関係の用語とかは簿記で出てこないの?
株価と会社の利益や資産との比率を表す指標、「PERとかPBR」などは、簿記3級では全く出てきません。
キャッシュフロー計算書も3級では出てこない

企業のIR情報の決算短信には「貸借対照表」「損益計算書」のほかにも「キャッシュフロー計算書」ってのもあるけど、それは?
それも簿記3級では出てこないです。1級の内容らしいです。
簡単に説明すると、
損益計算書は収益について記載しますが、「取引が発生した段階で収益を記載」するので、

とりあえず売る事になったけど、まだお金は回収してない。
という場合も売り上げが計上されるわけです。
そういう状態で損益計算書を作成すると、
「しっかり売り上げでキャッシュも入ってきている」ように見えてしまいます。
このように、
見えにくくなりがちなキャッシュの流れを分かりやすく示したものが「キャッシュフロー計算書」で、
「キャッシュフローは嘘をつかない」という言葉もあるように、企業の財務状況を分析する上で重要な書類なのですが、
簿記3級ではやりません。
まとめ 簿記3級で株取引の企業分析まではできないけれど、分析したいなら通る道。
簿記3級の知識が、株取引の企業分析で役立つ事とそうでないこと、まとめ。
- 企業の決算資料の「貸借対照表」と「損益計算書」の内容について、用語がわかり、読めるようになる。
- 「キャッシュフロー計算書」については3級ではわからない。
- 企業の分析がしっかりできるようになるまでにはならない。
- 分析に必要な基本的な知識を得られるくらいのレベルの資格。
- 実際の株取引に出てくる「PER・PBR・ROE・ROA」などの用語は出てこない。

簿記3級だけだと、「株取引のための企業分析」としては足りないのね。
足りないけど、企業を分析するために必要な知識を学ぶことは確か。
私は決算書を見るのも抵抗なくなりましたし、意味もすこしずつわかるようになった!
私は決算書を見るのも抵抗なくなりましたし、意味もすこしずつわかるようになった!
簿記の3級で、
株取引の企業分析までできる!とは言いがたいですが、
企業分析をして株が買いたい!と思うなら、絶対に通るべき道です。
次の機会には2級にチャレンジする予定です。
企業の分析をして、
長く安定した配当金をもらえる株を探し当てたい人や、
中長期的に見て成長する株を探してキャピタルゲインを得たい人は、
簿記の資格をゲットするべき☆です。
ちなみに私は「資格合格☆クレアール」で簿記の3級に受かりました。
資格★合格クレアール
科学的・合理的・経済的に資格試験の合格が目指せます!詳しい資料を無料で急送します。
非常に評判の高い通信講座で、
テキスト、講義動画の質も高かったです。
何気に感動したのは、

タイムリーな時期に「直前チェックシート」が送られてきた事!
学習の漏れを発見するのに役立ちました!試験会場の待ち時間用に持っていくのもおススメ。軽いし。
クレアールの良いところは、
- 3級のセットを申し込んで勉強すれば、それだけで合格までいける
- 安い(安いときで3級は10,000円以下)
- 講義動画はスマホでも見ることができ、1.5倍速でも見れる
- 無駄に全部、じゃなくて、合格を目指してコンパクトにまとまっている
というところです。
簿記通信講座はほぼ、クレアール一択!かと。
私は動画講義の1.5倍速を活用していましたが、疲れたときは0.5倍速にすると、「ぶぉ~きぃぃはぁぁぁ。」ってスローモーションになって笑ってました(使い方違)。

仕事で使わなくたって、簿記はメリットありそうだな!
無料で資料請求できて、講義のDVDをタダでもらえるから、まずはそれをもらってみて自分に合うか試してみるのがおススメです!
仕事で簿記の知識を使わない立場にある人でも、
上で述べたように、簿記は株取引の知識として使えます。
しかし、簿記のメリットはこれだけではありません。
今は副業ブーム。自分で開業して小さく自営業なんかやるときにも、簿記は使えます!
自分で開業した事業の確定申告をする時に、
簿記で学んだ「貸借対照表」と「損益計算書」で申告すると、
青色申告特別控除が受けられ、65万円程度の控除を受ける事ができます。
(ちなみに上の方法で行わない簡単な方法で確定申告するお控除額は10万円に減ります)

自分の事業の決算を自分でできて、控除額も増えるんだ。それはいい!
私もセミリタイアした暁にはこれを狙ってます。私が簿記を始めたもう一つの理由です。
この記事を見て、簿記に興味を持った人は、
まず資料の請求(無料)だけでもしてみてはいかがでしょうか。

とりあえずここまではタダだしな。
○コンパクトなカリキュラムで合格までいける
○値段が安い(キャンペーンでさらに安い時期もある)
○講義の質も高い
○株で企業の分析をしたい人の基礎知識として必須の知識が学べる
簿記はメリットいっぱいの資格です☆
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